タープは、日の照り続ける暑い夏には良い日影を作り、雨や雪からキャンプ生活を守ってくれます。
今回は数あるタープの中から厳選したものをおすすめいたします。
タープの選び方
良いタープは素材選びから
大きく分けて4種類あります。
- 価格と性能のバランスが良いポリエステル
- 軽くて水に強いナイロン
- 重いけど火に強いコットン
- ポリエステルとコットンのいいとこどりなポリコットン(TC:テクニカルコットン)
お手頃価格で販売されているのはポリエステルです。軽量で水に強いのが特徴です。
ナイロンはポリエステルよりもさらに軽量です。雨にも強く、登山をする方に選ばれることが多いです。
タープの下でバーベキューをしたい方はコットンが良いでしょう。火の粉が当たっても燃え広がりにくいのが特徴です。耐水圧は低く、ある程度は生地が水を含んで膨張するため雨を防げますが、含有能力を超えるとポタポタと染み出してきます。
ポリエステルとコットンのいいとこどりをしたのがポリコットン(TC:テクニカルコットン)です。
ポリエステルと比べて燃えにくく、遮光性が高いです。コットンと比べて軽く、乾きやすいです。
遮光や防水のコーティングはあえてしていないものが多いです。することでコットンの通気性が損なわれてしまうからです。
良い日陰には厚い生地、だけど…
タープは良い日陰を作るために使います。
生地の厚みや遮光素材によって良い日陰が作られます。
生地の厚さは「デニール:D」や「タフタ:T」で表します。テントにもこの単位が使用されます。
デニールは使用している糸の重さを表し、タフタは単位面積あたりの糸の本数を表しています。
いずれも数字が大きいものが厚みがあり遮光性が高くなります。
厚い生地のものが遮光性に優れていますが、厚いほど重くなります。
雨よけにはコーティングと耐水圧が重要
タープは雨よけとしても使われます。生地の材質とコーティングで決まってきます。
ポリウレタン(PU)コーティングはよく使われているコーティングです。注意点は使用しなくても劣化していく加水分解が起こることです。久しぶりに広げるテントがベタついているのは、加水分解が原因です。高湿度で進みやすいので、よく乾燥させてから湿度の低い場所で保管してください。収納袋の口を開けたまま保管するのも対策のひとつです。
シリコンコーティングはワンランク上のコーティングです。
PUコーティングに比べて加水分解はしにくく、防水性や生地の強度は高くなります。加工が難しいため高価なものが多いです。
ナイロンにシリコンコーティングを施したシルナイロンで有名なのは、ヒルバーグ社のテントやタープに使用されているケルロン素材です。防水性は高く、摩擦にも強く、劣化しにくい特徴があります。
価格は高めですが、耐久性が圧倒的に高いので、ひとつのものを長く使おうと考える方にはおすすめです。
耐水圧にも注目しましょう。
通常の雨であれば1000mm、大雨でも1500mmあれば問題ありません。
最近は1500〜2000mmのものが多くラインナップされています。
タープの種類
形状で種類分けされます。下の表をご覧ください。
ヘキサタープ | ・六角形(ヘキサゴン)のタープ ・テントとのアレンジがしやすい | |
レクタタープ | ・長方形(レクタングル)のタープ ・大人数で使用しやすい | |
ウィングタープ | ・ひし形のタープ ・ソロキャンプなど少人数向け | |
ワンタッチタープ | ・折りたたみ式で簡単に設営できる | |
スクリーンタープ | ・テントのような形状 ・全面メッシュで虫をシャットアウト |
ヘキサタープやレクタタープ、ウィングタープはテントと組み合わせることで様々なスタイルを組むことができます。小川張りやDODのチーカマスタイルなどが有名です。
これらの組み合わせにはポールが数本必要ですので、必ずタープにセットされている内容物をご確認ください
ワンタッチタープは折りたたみ式のワンタッチ設営です。イベント会場などで見かけるタイプですね。
サイドウォールやメッシュを付けられるものもあります。
風に弱いので、脚に重りをつけるなどの対策が必要です。
スクリーンタープは全面メッシュの、まるでテントのようなタープです。開放感は他と比べるとありませんが、虫除けとしては絶対の信頼感があります。
同一メーカーであればテントと接続することができるタイプもあります。
おすすめのタープ
良い日陰ができる適正な厚みと遮光生地、耐水圧は1500mm以上、比較的軽量なものをソロ・デュオ・ファミリーに分けておすすめしてみます。
ソロ
ソロキャンプにおすすめのタープサイズは3×3mです。
持ち運びも設営もひとりで行います。軽量でシンプルな設営のしやすいものを選びましょう。
DOD オーマイロンリナイイッツマイライフタープ
生地:150Dポリエステル(PUコーティング)
重量:2.3kg
大きさ:W445×D385cm
耐水圧:1500mm
UVカット:UPF50+以上
ポールは付属しておりませんのでご注意ください
DODのオーマイロンリナイイッツマイライフタープ、略してオーマイタープです。
Oh my lonely night it’s my life TARP 英語で書くとわかりやすいでしょうか。
「孤独な夜、それが私の人生」
静かな夜のキャンプ場で、ひとり焚き火を眺めながら過ごす姿が想像できます。
ですが、火に弱いポリエステル素材なので、タープ本体は焚き火より180cm以上離してください。
ムササビウィングのような形状でソロテントと組み合わせがしやすく、延長テープが付属されているので、いわゆる「小川張り」ができます。
ショウネンテントと接続が簡単にできるGフックが付いています。テントとタープで6kgほどと軽量です。
ロゴス ソーラーブッシュタープ
生地:難燃性バルキーポリ
重量:2.4kg
大きさ:W500×D430cm
耐水圧:2000mm
UVカット:ソーラーブロック加工(UVカット率99.9%以上、遮光率100%)
ポールは付属しておりませんのでご注意ください
ロゴスのソーラーブッシュタープは難燃性バルキーポリという燃え広がりにくいポリエステル素材を使用したタープです。
ソーラーブロック加工がされているためUVカット率も遮光率も最高クラスです。濃い影が期待できます。
他のタープのようにポールを1本前面に持ってくる方法で設営できますが、どうしてもポールが邪魔になってしまいがちです。
そんな時に便利なのがタープVポールです。
前面にV字型のポールを設置することで、タープの入り口が開放された状態になります。
デュオ
デュオキャンプはふたりで快適に過ごすため、4×4mは必要です。
コールマン ヘキサライト+
生地:75Dポリエステル(PUコーティング)
重量:4.6kg
大きさ:W420×D420cm
耐水圧:3000mm
UVカット:ダークルームTM テクノロジー(UVカット率99.9%以上、遮光率100%)
ポールが2本付属されています
コールマンのヘキサライト+はダークルームテクノロジーによりUVカット率は99.9%以上、遮光率は100%を誇っています。暑い夏でも快適に過ごせるでしょう。
耐水圧も3000mmと十分ですね。大雨が降っても安心です。
色が特徴的なので、テントも同色で合わせると良いと思います。
こちらのテントは別売りの電動ファンを取り付けることによって、室内の暑い空気を効率的に外に排出することができます。
スノーピーク ランドネストタープセット
生地:210Dポリエステルオックス(PUコーティング)
重量:7.2kg
大きさ:W380×D440cm
耐水圧:1800mmミニマム
UVカット:加工あり
ポールが2本付属されています
スノーピークのランドネストタープセットです。
ランドネストドームに合わせて作られたタープで、風に強いヘキサタープです。
長方形のレクタタープに近い形状のため、カットに無駄がなく広い範囲が使用でき、デュオだけでなくファミリーにも活用できます。
オックスというのはオックスフォード生地のことで、丈夫でしなやか、通気性が良いのが特徴です。
織り方に特徴のあるオックス生地のため、厚みがあり重いです。
ランドネストドームと合わせて使うと、色合いが一致しているので、素敵な組み合わせになります。
おすすめです!!
テンマクデザイン ムササビウィング13ft. TC“焚き火”バージョン
生地:ポリコットン(TC:ポリエステル65%・コットン35%混紡)
重量:1.9kg
大きさ:W390×D380cm
耐水圧:記載はありませんでした
UVカット:記載はありませんでした
ポールは付属しておりませんのでご注意ください
※テンマクデザイン(tent-Mark DESIGNS)はアウトドアショップWILD-1のオリジナルブランドです。
ムササビウィング13ft. TC“焚き火”バージョンはポリエステルとコットンのいいとこどり「ポリコットン」を使用したウィングタープです。
特徴は、火の粉がついても穴が開きにくいポリコットンです。
タープの近くで焚き火をしても安心ですが燃えないわけではないので、タープの下での焚き火はお控えください。公式もそのように言っております。
もうひとつの特徴はコーティングがされていないことです。
縫い目によくされているシームテープもありません。
縫い目の生地が水を含むと膨張し、水の浸透を防ぐのでシームテープが不要なんです。
シームテープがないので、撥水が弱まり汚れたら丸洗いができます。
洗った後はポリコットン素材でも使用できる撥水スプレーをすれば元の撥水効果が戻ります。
一ヶ所に撥水スプレーを集中すると、コットンが吸収してしまい、撥水効果が落ちます。
まんべんなく撥水スプレーをすることで、長く使用することができます。
収納ケースはメッシュです。湿気に弱いポリコットン製には嬉しい仕様ですね。
数多くのアウトドアグッズを販売するWILD−1オリジナルブランドだから、痒い所に手が届くのかもしれません。
公式オンラインストアではお試し購入が可能です。試して気に入らなかったら返却することができるので、万が一思ったのと違った時は安心です。
レンタルより割安の場合がありますのでこちらもおすすめです。
ファミリー
3人以上の大人数には5×5m以上が必要です。
ヘキサタープやレクタタープ、スクリーンタープがおすすめです。
2ルームテントやトンネルテントを使用する方は基本的にタープは不要ですが、組み合わせることでリビングダイニングを備えた3〜4ルームを構築できます。
スノーピーク HDタープシールドメーヴェL
生地:210Dポリエステルオックス(PUコーティング)
重量:4.4kg
大きさ:記載はありませんでした(最大対応人数は6名です)
耐水圧:3000mmミニマム
UVカット:加工あり・遮光ピグメント
ポールは付属されておりませんのでご注意ください
このタープを設営するにはポールが3本、ペグが10本必要です
スノーピークのHDタープシールドメーヴェLは新しいコンセプトの変則ヘキサタープです。
テーブルが置かれる中央を低く、人の出入りがある外側部分が高く設定されています。
雨が降った時は、中央から外側の一番低い部分に向かって雨が流れるので、雨が中央に溜まることがなく、人の出入りの際も雨垂れにあたることがないです。
今までにない理にかなった構造です。
遮光ピグメントは光を遮るコーティングで、濃い影を作るのに役立っています。
直射日光下と比較して体感温度はだいぶ下がります。
暑い夏場も安心です。
DOD オクラタープ
生地:ポリコットン(ポリエステル65%、コットン35%)
重量:4.2kg
大きさ:W510×D510cm
耐水圧:350mmミニマム
UVカット:記載はありません
ポールは付属しておりませんのでご注意ください
DODの大きい8角形で作られるオクラタープです。
多分ですが、オクタゴン(8角形)タープ⇨オクタタープ⇨オクラタープということかと思います。
どうでしょうか…
ポリコットンはポリエステルよりも遮光性が高く、広く濃い日陰を作ることができるので、ファミリーに最適です。
最低でも2本のポールが必要で、様々なアレンジができます。
ロープの張り方によっては他からの視線を遮ることもできます。
耐水圧は低めの350mmですが、ポリコットンが水を吸うことで膨張し、水の浸透を抑えるため耐水性能には問題ありません。
数値は低いですが、ポリコットンの性能が十分に補っているので数値以上の防水性を持っています。
ご安心ください。
また、火の粉で穴が開きにくいので、近くで焚き火をしても安心です。
燃えないわけではないので、タープの下での焚き火はやめましょう
以上、タープの選び方からおすすめのタープまでご紹介いたしました。
日陰、雨よけとあると便利なタープです。
この記事が参考になりましたら嬉しいです。
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