キャンプ飯といえばダッチオーブン調理は欠かせません。
ですが、ダッチオーブン調理は難しいという声をよく聞きます。
結論から言うと
ダッチオーブン調理は難しくありません。
むしろ、ほったらかし調理ができるので簡単です。
1台で7役
密閉性が高く、熱の伝わりがゆっくり均一な点を利用してあらゆる調理ができます。
焼く
ダッチオーブン調理といえば、鶏を丸ごと入れて調理するローストチキンは有名ですね。
炭を蓋の上に乗せることができるタイプは上下から熱を伝えることができるので、パンやピザを焼くこともできます。
分厚いステーキは網の上ではなくダッチオーブンで焼くとうまみを閉じ込めた状態で仕上がるのでおすすめです。
ローストチキンは周りに野菜を敷き詰めて、鶏肉が鍋に直接触れないようにすると、焦げ付かずにちょうど良い焼き色がつきます。
煮る
ほったらかし調理の代表です。
蓋と鍋の隙間を水蒸気で埋める「ウォーターシール機能」によりしっかりと密閉するので、圧力鍋のような効果があります。調理時間は短く、お肉などは柔らかく仕上がります。
基本的には食材と調味料を入れて火にかけておけば、勝手に出来上がってます。
火の当たる場所に集中して熱が加わらず鍋全体が均一に温まるので、混ぜなくても焦げ付きにくいです。
火から外しても保温効果が長く続くのが特徴です。ただし鋳鉄製ダッチオーブンは料理を中に入れっぱなしにしておくと鍋の油分や鉄分が料理に移って味が変わってしまいます。気を付けてください。
丸ごとキャベツスープや丸ごと玉ねぎスープは、キャベツや玉ねぎを丸ごと鍋に入れ、塩ひとつまみで仕上がります。野菜の甘みが生かされた美味しいスープはおすすめです。
蒸す
底網を使うと蒸し料理ができます。網下に水を張り、網上に野菜を乗せて火にかけるだけです。
水分を多く含む夏野菜は水を張らない無水調理ができますが、じゃがいもなどは皮が固くなるので必ず水を張ってください。
美味しく蒸すには弱火でじっくり火を入れるのがコツです。
炒める
鍋自体が均等に熱を伝える素材のものが多いので、炒め物にも向いています。
底が深く油はねも少ないので安心です。蓋を裏返すことでフライパンになるものもあります。
オーブン自体を温めてから調理すると、こびりつきにくくなります。
燻す
底網の下にスモークチップを敷き、網上に食材を乗せることで燻製調理もできます。
気密性が高いので燻煙を逃さずしっかりと燻せます。
スモークチップはアルミホイルの上に置いてオーブンに入れましょう。チップの焦げ付きを防ぎます。
揚げる
意外に使っている方が多いのが揚げ物調理です。油の温度が安定するので、外はカリッと中はジューシーに仕上がります。屋外で天ぷらもいいですね。
揚げ物は空気に触れさせながら揚げるとカリフワに仕上がります。蓋は外して、軽〜く混ぜながら調理してください。
炊く
ダッチオーブンはご飯も炊けます。特に炊き込みご飯は食材の旨みが米に入るので、とても美味しいです。
チーズリゾットやピラフも美味しくできますよ。
サイズ
サイズは6インチから16インチくらいまでありますが、一般的には大きく分けて3種類です。
丸鶏のローストを作りたいなら使用人数に関係なく10インチ以上を選びましょう。
あまり大きすぎると熱の入りにムラができるので10インチ程度が最適と思います。
素材
鋳鉄やステンレス・黒皮鉄板など、それぞれに特徴があります。
鋳鉄(ちゅうてつ)
型に鉄を流して作られる鋳鉄は、熱伝導率が低いため温めるのに時間がかかりますが、均一に熱が広がり、鍋全体を一定の温度に保つのに優れています。
反面、熱伝導率が高いと火の当たる部分だけが熱くなるため焦げやすくなります。
ほったらかし調理ができるのは熱伝導率が低いおかげなんです。
鋳鉄は最初にシーズニングが必要です。
シーズニング(seasoning)には調味料という意味がありますが、ここでは「乾燥」という別の意味で使われます。
とにかく乾かすことが大事なんです。
買ったばかりのダッチオーブンに塗布されている錆止めを使用前に洗い流し、植物油を染み込ませることで調理に進めます。
以上が初回シーズニングの工程です。
初回シーズニングの済んだ商品も販売されていますので、すぐに使いたい方はこちらもアリです。
長期間使用していない錆びてしまったダッチオーブンでも、錆を落としたのちにこのシーズニングをすると復活します。
錆を防ぐために、調理後のお手入れは下の手順で行います。
調理後にしっかりとお手入れをすることで、ダッチオーブンの表面の凹凸に油が染みこんで、黒光りした「ブラックポット」と呼ばれる状態になります。なかなか時間がかかりますが、ここまで育てれば油なしでもこびり付かなくなります。
急な温度変化に弱く、熱い鍋に水を入れると割れてしまうことがあります。必ずぬるま湯以上の温度で洗ってください。
洗剤の使用は控えるように言われていますが、汚れがひどい時は中性洗剤を使ってしっかり汚れを落としましょう。
汚れも錆の原因になります。
また、鍋の中に長時間料理を入れておくと、鍋の油分や鉄分が流れ出して味が落ちるように感じます。
錆の原因にもなりますので、調理後はすぐに鍋から料理を出して洗ってください。
色々と手間はかかりますが、その分愛着が湧きます。
シーズニングの工程を守って、愛情たっぷりにダッチオーブンを育ててください。
鋳鉄製でおすすめなのはコールマンのダッチオーブンです。
上蓋に縁があるので蓋の上に炭を乗せてオーブン調理が可能です。
底に脚がないのでIH調理器でも使用できます。
ステンレス
鋳鉄はお手入れが面倒という方はステンレスがおすすめです。
鋳鉄と比べて熱伝導率が低いため温まりにくいですが、その分一度温まると冷めにくい特徴を持っています。
シーズニングは不要で、洗剤でゴシゴシ洗うことができます。
育てる楽しみはありませんが、美味しいダッチオーブン料理を作るのが目的であれば、ご家庭の鍋と同様に扱うことができるため使いやすいと思います。比較的軽量で錆びにくいのも良い点です。
IH対応のものも多く、家でも使えて便利です。
ステンレス製のダッチオーブンでしたらSOTO(新富士バーナー)を選べば間違いありません。
金属加工に強い燕三条ブランドのしっかりとした作りです。
蓋には縁がついているため、炭を乗せてオーブン調理ができます。
また、蓋についている取手はスタンドにもなり、ダッチオーブンを重ねる時に使用できます。
黒皮鉄板(くろかわてっぱん)
黒皮という酸化皮膜でコーティングされた1枚の鉄板から作られたダッチオーブンです。
こちらも洗剤で洗うことができます。
シーズニングは必要で、調理と手入れを繰り返すことで錆びにくい強いダッチオーブンになります。
使っていくうちにだんだんとグレーになっていきますが、このグレーが黒皮の本来の色で、黒色は表面のクリア皮膜です。
まずは使いながら皮膜を剥がし、グレーを出したのちに油が馴染んで黒くなっていきます。
こちらも育てる楽しみがあります。
急な温度変化にも強く、鋳鉄とステンレスの中間的な位置付けで、使いやすく機能的なので人気です。
黒皮鉄板のダッチオーブンはユニフレームがおすすめです。
機械加工で精密に作られているため、蓋と鍋の合わせがきっちりしているのが特徴です。
必要なもの
ダッチオーブンに必要なもの、あったら便利なものをご紹介します。
おすすめ厳選5選
素材別に紹介しました3点の他に、厳選したダッチオーブンをご紹介します。
TSBBQ ライトステンレス ダッチオーブン 10インチ
こちらはTSBBQ(山谷産業)のダッチオーブンです。こちらも燕三条ブランドのステンレスダッチオーブンです。
10インチで4.2kgなのでSOTOの10インチステンレスと比べると800g軽量です。
アルミ素材をステンレスで挟んだ3層構造で、軽くて熱伝導性に優れるオーブンです。
持ち手を外すことができるので家庭での調理の際も邪魔にならない作りです。
ウェーバー(Weber) ダッチオーブン デュオ グリルプレート
バーベキューグリルで有名なウェーバー(Weber)の鋳鉄製ダッチオーブンです。
こちらの特徴は上蓋がフラットな点。
鍋の中で調理しながら、上蓋をフライパン代わりにすることができます。
当然炭を乗せてオーブン調理も可能です。
時短とスペース活用は海外産とは思えない高機能なダッチオーブンです。
素材コーナーで紹介した3点
以上、ダッチオーブンについて長々とお話ししました。
ダッチオーブン愛が溢れてしまいました。
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